ステイホームが長引く今、日常の一つをちょっとだけこだわってみる。
「普段」がちょっとだけ楽しくなる。
毎日の小さな幸せを探しに、今日は鍋で炊くごはんに注目したいと思います。
ごはん、どうやって炊いていますか?
聞くところによると、最近は鍋炊きご飯が見直されてきているようです。
お安く美味しく
「はじめちょろちょろ 中ぱっぱ じゅうじゅう吹いたら火をひいて 赤子泣いてもふた取るな」
昔ながらのご飯を炊くセオリー、耳にしたことがあるのではないでしょうか。
発祥時期は、なんと江戸まで遡るのだそうです。
薪をくべてぱっぱと焚き付け、吹くと思ったら火をひいて。
何があってもふただけは取るまいという所に、最後まで気を抜けない緊迫感を感じますね。
かまどで炊くなら火加減に細心の注意を払わなければならず、
そのため付きっ切りのお世話が必要だった事でしょうね。
しかし時代は変わりまして。
今の時代、そこまで細心の注意を払わなくても大丈夫。
スイッチポンで弱火、強火の調整ができるのです。
炊飯器は、スイッチ押せば放ったらかし。ダントツ手軽です。
鍋で炊くと、火加減を気にする必要はあります。
でも実は「火を弱める」と「火を消す」たった2回のアクションが増えるだけなんですよ!
しかも、美味しさが断然際立っています。
筆者はここ10年来、土鍋でごはんを炊いていますが、
土鍋で炊くと、スーパーの特売で買った普通のお米が、
とってもプレミアムなご飯になるのです!
この美味しさと、お得感。もう炊飯器には戻れません。
鍋は面倒…?
「わかっているけど、火加減とか、手間かかるでしょ?
毎日のことだから、手軽にやりたい…」
鍋炊きに踏み出せない方の声ではないでしょうか。
効率はとても大切なポイントです。
でも、この美味しさを手放すなんて、もったいない!
鍋炊きへのハードルが一つでも取れたら
…いや、せめて低くなってくれたら!
そこで…
『鍋 VS. 炊飯器』!!
鍋派の著者が、色々な側面から鍋の良さを挙げてみます。
美味しさなら、鍋!
鍋炊きご飯の美味しさの秘訣は「火力」です。
強火の熱が全体を包み、短い時間で沸騰させることができるため、旨み成分がお米に閉じ込められます。また鍋全体を行き巡る高温の対流が、一粒一粒をムラなく芯まで加熱することができ、デンプンを十分に糊化させ、粘りを出すことができるのだそうです。
だから、お鍋で炊いたごはんは、粒が際立ち、粘りも強く、甘みが十分に引き出されているのですね。しかも、炊きたてはもちろん、冷めてもおいしさが持続するのが特徴です。
数ある炊飯器は、各社どれも鍋炊きの味を再現しようと試みている事を考えると、
おのずと結果は鍋の圧倒的勝利です。
時短なら、鍋!
火をつけている時間は、鍋の種類や季節、仕上がり具合によって微妙に違いますが、
筆者の場合、トータルで25分。
沸騰までの約10分と、沸騰してからの弱火15分。
炊飯器にも早炊きコースがありますが、
「手早く美味しく」を考えると、時短戦で軍配が上がるのは断然、鍋なのではないでしょうか。
キッチンのすっきり感なら、鍋!
電子レンジ、電気ポット、炊飯器、コーヒーメーカー、トースター、パン焼き機…
キッチンにあふれる家電たち。
どれも手放し難いこだわりがあるかもしれませんが、
ごちゃっとしたキッチンを眺めて、内心「無ければ良いのに。」と思いませんか?
どれも、結構な存在感。
その中でも特に炊飯器は場所を取ります。
蒸気の逃げ道や、ふたが開くスペースも必要なので、置く場所に融通が利きません。
日本の特に都会のご家庭では、スペースの有効活用に苦心されているのではないでしょうか。
その点、鍋はしまえるんです。
しかも、簡単に丸ごときれいに洗えてしまう。
清潔!すっきり!
これは大きなポイントです。
これだけで、鍋の支持率がぐーんと上がるのではないでしょうか。
筆者の家は、鍋で炊くようになっても、家族の理解が得られるまで、しばらくは炊飯器もキッチンにデーンと据え置かれていました。しかし今ではすっかり家族全員が鍋炊きご飯党。
タイマーを駆使して鍋でお米が炊けるようになり、炊飯器はお役御免。
炊飯器はお米を炊く以外の別の使命を与えられ、庭で良い仕事をしてくれています。
内心、キッチンには未だにもっと手放せる家電があると思っていますが、炊飯器の分だけでもまずは上出来。物であふれる現代社会で、片隅でも生活の中に余白のスペースがあるのは、精神的にも大きな違いを生んでいると確信しています。
お鍋で炊いたご飯があればいい。
初めは基本の炊き方をベースにして、
慣れてきたら、水量、火加減、時間など
鍋の素材やお好みの柔らかさと相談しながら、
自由に手軽にご家庭の味を作り出すことができのは、鍋ならではです。
鍋炊きに躊躇してきた方も、ぜひ気負わずに、まずはトライしてみてはいがかでしょうか。
ふたを取った時の、輝く艶。ホカホカの湯気。
味はもちろん、見た目、香り、食感、全てに満足。
自然と笑顔が生まれます。
それだけで、ごちそうです。
見えない菌と戦う日々。
何もできない、どこにも行けないと嘆くだけでなく、
何であれ、毎日の「今」をちょっとだけ丁寧に過ごすことで
ささやかな幸せが「ここ」から輝きますように。